ワイン恋物語
「あの人、平岡さんのことが好きなんじゃない?」

わたしの隣でキャベツを切っていたヨシエさんが言った。

「えっ?」

言われた意味がよくわからなかった。

「まさか、そんな訳ないと思います」

わたしは笑いながら言い返した。

毎日のように食べていたら、味の変化の1つや2つはわかると思う。

わたしのことが好きって、どうせ何かの間違いに決まっているわ。

それに…正直に言うと、もう男の人には懲りていたから。
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