ワイン恋物語
今まで楽しそうに行われていた式は、彼女の登場によってすっちゃかめっちゃかなことになってしまった。

テーブルは引っくり返り、わたしたちが作ったせっかくのごちそうは説明したくないくらいにひどい有り様となっていた。

「つー?」

あまりの状況に座り込んだわたしを、根本さんが声をかけてきた。

「つー、大丈夫?」

同じ目線になった根本さんがわたしの顔を覗き込んできた。

わたしは今、どんな顔をしているのだろう?

バサッと、わたしの頭に何かがかかった。

根本さんのベストだった。
< 49 / 100 >

この作品をシェア

pagetop