ワイン恋物語
コンビニにつくと、外から根本さんの姿を探した。

あ、いた。

彼は雑誌を立ち読みしていた。

根本さんの格好は、黒のTシャツにブラックジーンズである。

そのうえにグレーのジャケットを羽織っていた。

初めて見た彼の私服に、私の心臓がドキッと鳴った。

普段は、ソムリエの制服しか知らないからだ。

私服もかっこいいなと、そう思っていた時だった。

「――つぐみ?」

聞き覚えのあるその声に、わたしの名前を呼ばれた。
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