ワイン恋物語
「――ちゃん、つぐみちゃん!」

「――えっ…?」

桃の声に返事をした。

「そんなにのんびりしてて、時間は大丈夫なの?」

「えっ…?」

桃がわたしの顔を覗き込んできた。

彼女の言葉に思わず壁にかけてある時計に視線を向けたら、
「大変!」

急いでご飯をかき込んだ。

のんびりと過去の思い出を振り返っている場合じゃなかった!

「ごちそうさま!」

急いで洗面所に駆け込んで、顔を洗って、歯を磨く。

メイクを簡単に済ませた後、また部屋へ戻ってカバンを手に取った。
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