ワイン恋物語
「初めて見た時から、好きでした」

そう言った根本さんに、
「――えっ…?」

わたしは耳を疑った。

だって、告白をされたんだよ?

「――えっ、あの…」

戸惑っているわたしに、
「本当だよ、つー。

初めてつーを見て、会った時から好きだった」

頭の中を読んだと言うように、根本さんが言った。

眼鏡越しの目は、真剣だった。

「――あの…」

わたしは、戸惑っていた。

だって、そんな…。

「わたしでいいんです、か…?」

そう言ったわたしの声は、震えていた。

「つーじゃなかったらこんなことを言わないよ」

ああ、本当だ。
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