吸血鬼の箱庭





穴の近くに狼人間がいる?


衝撃的な発言を、花村は囁くように告げると、平然を装って、花瓶に水を組んでいた。




ナイトの眉間の皺がさらに多くなる。


「なんで…わかる?」


確かになぜここが分かったのだろうか?







もしかして…





「俺、尾行されてたんかな…」




「静かにしろ。



…… 尾けられていただと?」




可能性はゼロではない。





もしかしたら、もうすでに狼人間の一族は俺とナイトが契約を結んだことを知っているのかもしれない。




「気配はしたか?」





「全く。」





「…桜田修とは会ったか?」




「え?修ちゃん?


…攫われてから一度も会えてませんよ。」




なぜこの話の流れで修ちゃんが出てくるのだろう?




ナイトの横顔を見る限り、心底焦っているようだ。



下唇を噛み締め、顔をくしゃくしゃにしている。



あんな表情を見るのは初めてだ。





「穴には入っていないようですね…どうします?見に行きますか?」



「あぁ、流石に“奴”は来てないだろう。」




ナイトが黒色のコートを羽織いながら、小屋を出る。




“奴”って、メアって奴のこと?



俺は少し困惑しながらも二人に走ってついて行った。



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