吸血鬼の箱庭
修と凛
依存と異存
ーーーーー
俺の人生はそんなに幸せなものではない。
4歳までに母からの虐待、両親の離婚を味わった。
今でも母から受けた暴力の痕は残っている。
父と共に母の元から離れ、父の実家で2ヶ月程暮らしていたが、父が職場で上司と交際を始め、父の彼女の家の近くのアパートに引っ越した。
案の定、父はその女と結婚をした。
俺と同い年の子供がいたらしく、名前は“凛”と言った。
結婚後、家を立て新たに4人家族のして、生活を始めた。
まだ幼かったので、母が赤の他人でもそんなに違和感は感じなかった。
問題は、俺と“兄弟”になった凛だ。
凛が5月生まれで、俺が7月生まれなので俺は凛の弟になった。
たれ目が印象的な凛はやんちゃで、体を動かすのが得意だった。
「しゅーちゃん。あそぼ。」
部屋の隅で絵本を読んでいた俺に外で泥だらけになった凛が初めて話しかけてきたのを今でも覚えている。
幼稚園、小学校、中学校ともに同じ学校に入学した俺たちは常に隣同士だった。
なにも言わない無愛想な俺の良さを引き出してくれる凛の優しさが俺は好きだった。
一緒にバスケ部に入部した時は、期待の新人双子とか言って顧問や部員にからかわれた。