吸血鬼の箱庭
俺は自然と凛の隣にいるのが当たり前になった。
凛の優しさから生まれた“依存”だった。
俺は凛がいないと生きていけないかもしれない。
そんな心配を始めた頃___
親が離婚をすると言い出したのだ。
『嫌や!!親の都合で決めんなや!!』
14歳になった俺は子供のように親に反抗し、喚き散らした。
それに対して凛は従順で、素直に頷いていた。
俺と離れてもいいんか?
俺なんかいてもいんくても一緒やったんか?
そう思うと、凛に酷く絶望感を抱いた。
離れたくない。ずっとそばにいたい。
そんな気持ちを押し殺して、俺も親の離婚に賛成した。
凛と離れた今、彼がいなくて心配だったが、なに不自由なく過ごせている。
案外凛との絆は浅かったんやなぁと思いつつ、今日も学校へ向かう。
いつも通り、授業を受けて、休み時間は仲のいい奴らとつるんで、放課後はバスケに夢中になって_
いつも通り、いつも通り。
だが、凛と離れて一つ変化したところがあった。
それは_____
全く笑わなくなった。
笑ったとしても、それは表情筋が無理矢理動いてつくりだす愛想笑いで。
毎日が価値のないものになっていった。
凛。
あなたは今、なにをしていますか?