吸血鬼の箱庭
口をぽかんと開け、唖然としていると煙が消え、春が出現した。
「あー…さっむ。」
春は全裸の状態で、俺の膝に正座するような体勢になっていた。
「うわっ!!」
「早く着ろ。」
サンがその場に脱ぎ捨てられた春の衣服を放り投げる。
「折角寒い思いしてやってやったのにあんたは相変わらずだね…」
春が口を尖らせながらいそいそと服を着る。
「……どうだ?これで十分証明出来たと思うが。」
サンが呆れたように息を吐く。
「……俺に求めてることはなんなん…?」
「あ?」
「俺を攫ってなにがしたいん?」
サンの顔を真っ直ぐ見つめ、唇を噛みしめる。
サンは座り込んでいる俺の目の前にしゃがみ込み、乱暴に顎をつかんできた。
「お前を仲間にする為だ。」