吸血鬼の箱庭
餓鬼と餓鬼
「ゔわぁぁぁあ!!!!」
こんなこと二度と経験しないだろう。
俺は今、猛スピードで落下している。
どこかの不思議の国のお話のように、ゆっくりまったり降りさせてはくれない。
物理的な速さで落下している。
足と手をバタつかせるが、全くスピードが緩む様子はない。
更には出口が全く見えず、地球の裏側にでも飛び出そうな勢いだ。
「ぎゃぁぁぁ!!」
真っ暗闇の中、赤色の光が差し込んできた。
その光は徐々に大きくなり、やがて俺を包み込んだ。