Prince×Prince~彼女と彼と彼?!~
ーガチャ…
図書室の扉の開く音が響いた。
「あ、待って」
声を掛けると彼は
立ち止まってゆっくり顔だけこちらに向ける。
そんな仕草でも
男の俺でさえ見惚れるくらいのかっこよさだ。
「君、名前は?」
「…平川 凪」
平川 凪 ねぇ…。
男っぽいような女っぽいような名前だけど、
彼にはピッタリだと思った。
「俺、黒崎 拓斗。
念のためよろしく」
「…ぁ、はい。
よろしくお願いします」
平川くんはそう一言残して出ていった。
…今年のプリンスは彼になるかな。