Prince×Prince~彼女と彼と彼?!~
「バカかっ!
泣いてねぇよ!」
知らねぇだろ。
私がどれだけ
お前という存在に助けられてきたか。
みんながみんな私を男だって言って
男扱いばっかりする。
小学校で女子に告られたことも多々あったな…。
そんな中でお前だけが
私を女だと言い張って。
小学校は別だったけど
中学で王子扱いされてた時に
お前だけが“私”に気付いて
今も変わらず“凪”として接してくれてる…。
これでも、すんげぇ感謝してんだぜ。
「弘輝」
「…んだよ」
「サンキュー、
これからもよろしくな!」
「…なんでお前が言うんだよ」
「気分だよ、気分」
本当はずっと伝えたかった言葉…。
「ひっでぇ」
私たちは笑いながら弘輝の家に帰った。