四季の旅。
人形とオオカミ犬。
秋はなかなか。
虫達の合唱に合わせて私も歌う。
夜が楽しみになった。
でも、あれから一度も街を見つけてない。
早く見つけなきゃ。
冬は野宿なんか出来るわけない。
ミカヅキが死んじゃう。
それになにより、最近身体が重い。
油が底を尽きてから数週間。
ついに言う事を聞かなくなってきたみたいだ。
『大丈夫?アン』
『まだまだ大丈夫だよ。歌だって歌える』
『そっか…』
『心配しないで。きっとすぐ街が見つかるよ』
『うん……』
それから少し経って、右手が動かなくなった。
それから少し経って、左手が動かなくなった。
それから少し経って、首が動かなくなった。
それから少し経って、右足が動かなくなった。
でも…
私はまだ歌える。
右足を引きずってでも、前に進める。
『アン…』
『もうすぐだよ。きっともうすぐ見えてくるから』
虫達の合唱に合わせて私も歌う。
夜が楽しみになった。
でも、あれから一度も街を見つけてない。
早く見つけなきゃ。
冬は野宿なんか出来るわけない。
ミカヅキが死んじゃう。
それになにより、最近身体が重い。
油が底を尽きてから数週間。
ついに言う事を聞かなくなってきたみたいだ。
『大丈夫?アン』
『まだまだ大丈夫だよ。歌だって歌える』
『そっか…』
『心配しないで。きっとすぐ街が見つかるよ』
『うん……』
それから少し経って、右手が動かなくなった。
それから少し経って、左手が動かなくなった。
それから少し経って、首が動かなくなった。
それから少し経って、右足が動かなくなった。
でも…
私はまだ歌える。
右足を引きずってでも、前に進める。
『アン…』
『もうすぐだよ。きっともうすぐ見えてくるから』