花言葉を君に。
プロローグ


風に吹かれながら、紅葉の下を歩いた秋の日。


真っ白な雪が舞って、溶けて消えていった冬の日。


桜咲く空を仰いだ、春の日。


青い海と並んで歩いた、夏の日。


あたしとママと楓にぃに。


いつも笑ってた。


どんなときも幸せだった。


…ママがいなくなるまでは。


あたしと楓にぃにが離れ離れになるまでは。


どんな一瞬も幸せだった。


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