花言葉を君に。


「あるよ。」


その答えを聞いて、なぜか一瞬だけ胸の奥がチクッと痛んだ。


当たり前だよね。


だって好きになったことないあたしが変なんだもん。


「それって、女の人をですよね。」


「ふふっ。俺が男性を好きになる人に見える?」


「ち、違います!いや、ユウキ先輩が好きになる人ってどんな人なのかなって思って。」


「わかってる。ちょっとからかっただけだよ。」


冗談を言っているはずの先輩は、未だこちらを見ようとしない。


なんか地雷踏んだ?


この話題はダメなやつだったのかな。


「…俺が好きになったことある人は、今までで二人だけ。」


焦っているとユウキ先輩が話しだした。


「どっちも素敵な人だよ。一人は2年前まで好きだった。もう一人は…一目惚れだった。」


どこか切なそうに話すのは、あたしの思い込み?


何も言えなくて黙っていると、


「でも、好きとかそんなの関係なしに探してるんだ。」


ユウキ先輩が、ため息とともに吐き出した言葉。


「何をですか?」


聞くと、やっとこっちを見てあの優しい笑顔で、こう切なそうに笑った。


「大切な人。」


その返答は、あたしの中で見つからなかった答えを導いてくれた。


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