花言葉を君に。


「最近、学校はどう?」


あたしの淹れたミルクティーを一口飲んで、あたしに問いかける。


「…園芸部に入部しました。」


美智さんの作ったシフォンケーキを一口食べて、あたしは答える。


「園芸部?廃部になってなかった?」


「なってました。でも、ユウ…ある先輩が立て直してくれました。」


ユウキ先輩の名前をどうして伏せたのか、自分でもよくわからなかった。


やっぱり好きな人のこととかって、隠したくなるのが普通なのかな。


「…その先輩ってどんな先輩?」


思いがけない方向転換で、あたしに向けられた質問。


喉に詰まったケーキを、ミルクティーで流し込む。


…美智さん、気づいてる?


「どんなって…メガネかけてる背の高い先輩ですけど。」


「そういうこと聞いてるんじゃないでしょ?性格とか、どんなとこが好きとか。」


「ゴホッゴホッ!」


気管に入ったため、むせてしまう。


やっぱり気づいてる!


なんでだろう?あたし今まで一度も人を好きになったことなんてないから、もちろんそんな話をしたこともないのに。


「好きなんでしょう?紫苑ちゃんの初恋、応援してるわよ。で、どんな人?」


「…優しくて、いつも笑ってる素敵な人です。」


「そう。良かったわね。」


いつもと同じ美智さんなのに、なぜかいつもより優しく感じて、たくさん話してしまった。


たとえあたしのことを嫌っていてもいい。


あたし、きっと本当は…

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