花言葉を君に。


久しぶりに美智さんと、仕事から帰ってきた尚紀さんと、たくさん会話した。


もちろん許したわけじゃない。


逆に、許してもらおうとも思っていない。


あたしと二人の溝が修復したわけでもない。


それでも…


ユウキ先輩と出逢って、あたしの中で“何か”が変わったの。


それはどんなものなのか、どういうふうに変わったのか、わからない。


少しずつ、少しずつ、変わっていく。


本当に、ユウキ先輩と出逢えてよかった。


目を閉じると、あの笑顔が浮かんでくる。


この恋は、間違いなんかじゃない。


ユウキ先輩を好きになって良かった。


あたしは、きっと変われる。


…ううん。もう変わり始めてる。


笑顔をつくって、地味に寂しく生きてた。


そんな自分を変えたかった。


きっと変えれる。


ユウキ先輩と出逢えたから。


机の上の写真立てに手をかける。


「ママ。楓にぃに。あたしやっと出逢えたよ。」


本当の自分を出せる。


自分がちゃんと自分でいられる。


いつか、ママと楓にぃにと3人でいたときみたいに笑えるかな…?







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