花言葉を君に。
いつも通りに裏庭へ行く。
今日は水曜日だから、あたしが水やりの当番だ。
ユウキ先輩が来る前に、さっさと終わらせちゃおう。
鼻歌を歌いながら、歩いて花壇が見えたとき、花壇の前にしゃがみこむ男性がいた。
それは、初めてユウキ先輩に逢ったときのデジャヴのようで…。
でも、すぐにその人がユウキ先輩じゃないことに気がつく。
明るい茶髪が、太陽の光を受けて輝いている。
イズミ先輩だ。
「おはよーございまーす…。」
「お?遅かったな、紫苑。もう水やりとか終わっちゃったぞ?」
「え?あ、ありがとうございます。」
イズミ先輩は微笑んだ。
ユウキ先輩とは違う、太陽みたいな元気な笑顔。
なぜか、イズミ先輩がじーっとこっちを見ている。
「どうかしました?」
「紫苑ってさ……あ、いや、胸ないよな。」
その心無い発言に、あたしの心の中で怒りが爆発した。
「余計なお世話ですっ!!ええそうですよ、どうぜ胸なんてないんです。中2のときからずっと同じブラつけられるぐらいですからね!言っちゃいますけど、ずっとBですからっ!!」
言ってから、後悔する。
あたし、昨日会ったばかりの人に何言っちゃってるんだ!?
さらに後悔は重なる。
ちょうどタイミングよく、ユウキ先輩が来たのだ。