花言葉を君に。


3時間目が終わる頃、メールが来てた。


“ゴメンネ”


そのメールを見て、思わず笑ってしまった。


ムカつくんだけど、何だか可愛くて。


イズミ先輩って、不思議な人。


“こちらこそ叩いてごめんなさい。”


メールを返すと、すぐに返信が来た。


“今日の放課後、俺に時間ちょーだい”


急なお誘いなのに断れなくて、“はい”なんてメールを返した。


そして放課後。


ユウキ先輩に“今日は用事があるので帰ります”ってメールして、イズミ先輩と待ち合わせた。


「よっ。今日は付き合ってくれて、どーもな。」


「いえ。で、どうするんですか?」


「まず、敬語やめて。で、デートしよ。」


「えっ!?」


いいとかダメとか、返事する前に強引に手を繋がれた。


その手が思っていたよりも優しくて、大きくて。


「ね。じゃ行こ。」


「え、はいじゃなくて、うん…?」


またイズミ先輩が太陽みたいに笑った。


そしてあたし達は手をつないで、まるでカップルのように歩き出した。


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