花言葉を君に。


「先輩っ…。」


「ん?」


「逢えますか…?あたし、お兄ちゃんと逢えると思いますか?12年間、ずっとお兄ちゃんの言葉を信じて生きてきたけど、もう無理なんじゃないかって…。」


「逢える。紫苑と紫苑のお兄ちゃんは絶対に逢える。だから、今を精一杯生きろ。紫苑は紫苑らしくいればいいんだから。そうすれば絶対に逢える。」


溢れる涙をこらえることなど、不可能だった。


こんなに自分の想いを話したのは、何年ぶりだろう?


こうやって人目も気にせずに泣いたのは、何年ぶりだろう?


もうずっと、あたしはあたしでいられないままだと思ってた。


そんな気持ちだったのに、イズミ先輩は凄い。


あたしの心を溶かしてくれる。


その太陽みたいな笑顔で、優しい言葉で、イズミ先輩自身の全てで。


不意にあたしの手を、イズミ先輩が強く握る。


まるで、“大丈夫だよ”っていうみたいに。


「ほら、泣くなよ。…ごめんな辛いこと思い出させちゃったみたいで。」


「ううん、イズミ先輩に聞いてもらって少しすっきりした。ありがとうございます。それでお願いがあるんだけど…」


「お願い?」


「うん。あのね今日の話、ユウキ先輩には言わないでほしいの。」


「ユウキに?わかったけど、じゃあ俺からもお願いってか、相談いい?」


「何?」


「…紫苑。俺、お前のこと好きなんだけど、どうすればいい?」


突然の人生初告白は、公園で遊ぶ子供の声に重なったけれど、ハッキリと聞こえた。


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