花言葉を君に。


思考回路って本当に停止するんだ…。


って考えてるから、本当は停止してないのかな?


どうなんだろう。わかんないや。


「…紫苑。」


あたしの名前を呼ぶ声が、あの夢の声と重なる。


やめて。


あたしが壊れていくような感覚が、自分でわかった。


「紫苑、俺本気だから。」


あたしの手を握る力が、強くなっていく。


そこで今までずっと手を繋いでいたことに気づいた。


なんで、なんで、なんで…。


「ユウキに紫苑のこと聞いた時から、素敵な人だなって思ってて。会ったらやっぱり好きだって思った。」


「……。」


「紫苑。俺じゃダメ…か?」


その目が真剣で、呼吸が出来なくなった。


ダメじゃない。あたしもイズミ先輩のこと好き…だよ?


ダメとかそういうことじゃない。


そうじゃないけど、わからない。


どうしよう。どうすればいい?あたしが壊れていく。


束の間の沈黙のあとの、イズミ先輩の乾いた笑い。


「…そうだよな。ごめん。」


温かい手が離れた瞬間に、あたしは駆け出していた。


ひとり、イズミ先輩を公園のベンチに残して。



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