花言葉を君に。
あたしが笑うと、楓にぃには小さく笑って、あたしを抱きしめた。
小さな妹を抱きしめる小さな兄の姿は、周りからどう見えたのだろう?
小さな白い車に乗らされたあたしが、窓から手を懸命に振った。
それでもまだ笑顔で手を振り返す楓にぃに。
その姿が小さくなって消えるまで、あたし達はきっと『兄妹』だったよね?
小さなリュックを隣に置いて、楓にぃにがくれた一枚の写真を抱いて、涙を拭いた。
その写真に映るのは、ママと楓にぃにとあたしの笑顔だったから。