花言葉を君に。
「…紫苑ちゃん。」
あたしを呼ぶ声で、ハッとする。
寝てた。
周りを見渡すと、真っ白い。
そして、眠る美智さん。
そうだ。ここは、病院だ…。
「紫苑ちゃん、ありがとう。」
あたしに声をかけたのは、尚紀さんだった。
スーツを着ているので、きっと仕事終わりに真っ直ぐ来たのだろう。
「尚紀さん、美智さんは…」
「大丈夫。1週間程度で退院できるらしいから。」
安堵のため息が漏れる。
よかった…本当によかった…
そして涙が頬を伝った。
「紫苑ちゃん?」
「よかっ…美智さんが無事で…ほんとによかったっ…」
涙が止まらなかった。
尚紀さんが微笑んで、あたしを優しく包み込んだ。
「紫苑ちゃん、今までごめんね。ちゃんと向き合ってこなかった。…正直、向き合いたくなかったんだ。でも、今は後悔してる。」
「え?」