花言葉を君に。
授業が終わって、放課後。
ひとり、ただ待ってる。
薄水色の空。下校する生徒の声。
いつもの裏庭の花壇。風に揺れる花たち。
水をやると、一段と輝きを増すようで・・・
「ごめん。待った?」
声がした。
振り向かないままで、告げる。
「いえ。あたしもさっき来たとこですよ。」
「そうか。」
声の主は、何か気づいているようだった。
「昨日はごめんなさい。あたし、初めてでわからなくて、戸惑って。」
「いや、そうだよな、こっちこそごめん。・・・で、聞かせてくれる?」
もう、きっと気づいてる。
わかってるけど、ちゃんと言わなきゃ。
自分の口で、自分の言葉で。
あたしは振り向くと、大きく頭を下げた。
「・・・ごめんなさい。」
「・・・うん。」
「あたし、好きな人がいるんです。生まれて初めて人を好きになったんです。その恋を捨てることはできません・・・。」
頭を上げると、悲しそうに微笑むイズミ先輩がいた。