花言葉を君に。


あ…。


そうだ。ユウキ先輩だ。初めて会った時に、ユウキ先輩が言ってくれた言葉。


それと一緒なんだ。でも、なんで━━━━?



「ユウキくん?」


凛堂さんが嬉しそうな声で振り返る。イズミ先輩のときとは違う、もっと優しくて可愛らしい微笑みで。


校舎の影からやってきたのは、ユウキ先輩だった。


そうだ。あたし、ユウキ先輩に告白を…って、え?


どうして。どうしてユウキ先輩も凛堂さんを知ってるの?


だって、ユウキ先輩はこの前転校してきたばかりで。


たとえ2年前、イズミ先輩が1年生のときココで先生をやっていたとしても、絶対に関わりはないはずなのに。


どうして・・・?


「久しぶり。元気そうでなによりだわ。」


「なんで・・・」


驚きのあまり、言葉をなくしているようだった。


「来年から復帰だってさ。」


イズミ先輩がユウキ先輩の耳元でささやく。


「復帰?でも、まだ」


そこまで言って、ふと口をつぐんだ。


??


「・・・今日、本当はユウキくんに会いに来たの。」


それを見た凛堂さんは、嫌味のない笑顔でこう言った。


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