花言葉を君に。


家に帰ってから、不思議と涙がこぼれた。


「あれっ・・・?」


自分でもよくわからない。


何が悲しいのか。なぜ泣くのか。


美智さんも尚紀さんもいないし、ユウキ先輩にもイズミ先輩にも話せない。


・・・ケータイを取り出して、桐生 明梨に電話する。


「はい。」


「・・・桐生 明梨っ!」


「!!なによ、泣いてるの?」


「助けてよ。ライバルでしょ、わからないの。わからないけど涙が出るの。ねぇ、桐生明梨ならどうするの?」


自分でも、は止めが効かない。


「どうでもいいけど、その桐生 明梨っていうのはやめて。明梨でいいわよ。」


「・・・明梨。ユウキ先輩が泣いたの。凛堂さんっていう人に会って。」


「ちょっと待って。凛堂って、凛堂 遥先生?」


明梨の口から、フルネームが出て驚く。


「知ってるの?」


「知ってるもなにも、その人うちの高校に勤めてた人でしょ。お姉ちゃんから聞いたことあるもの。・・・ちょうど凛堂先生に関わることで、ちょっと紫苑に聞いて欲しいことがあるの。」


「なに?」


明梨が息を呑むのがわかった。


つられてあたしも息を呑む。


「ユウキ先輩の友達のイズミっているでしょ?・・・あの人、2年前に園芸部を廃部にさせた張本人らしいの。それに関わってるのが、凛堂先生で・・・」


「で?」


「聞いた話によると、イズミって人が凛堂先生を妊娠させた、って・・・」


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