花言葉を君に。


違うよね。


まさか、そんなわけないよね。


信じたいけれど、信じきれない。


和泉先輩が、あたしの・・・


「あれ?紫苑と遥さん?」


その声は、和泉先輩の声だったけれど怖くて振り向けなかった。


「こんにちは、和泉くん。」


何事もなかったかのように・・・いや、凛堂さんにとっては何もないんだろう。いつもの微笑み。


「ちはー。何話してたんですか?」


「和泉くんのこと。ちょっと君、フルネームも言ってないんだって?」


「え・・・」


「紫苑ちゃんに言っちゃったけど、もしかして隠してたとか?」


返事をしない和泉先輩の顔は、真っ青だった。


それを見て凛堂さんが、そろそろ行くね、と帰っていってしまった。


残されたふたり。


正直、気まずい。だってあたしの脳内を占めていることは、ただひとつだけだから。


「・・・和泉先輩。」


「・・・ん?」


「あの、和泉先輩って・・・あたしのお兄ちゃんですか・・・?」


声が震えた。


ずっと、ずっと探してた。


大好きなお兄ちゃん。

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