花言葉を君に。


「今までどおりよろしく。」


帰り道、和泉先輩が言った言葉。


初めて一緒に帰ったときみたいに、手を繋いだ。


あの日、和泉先輩に核心を突かれた。


なんで笑ってないのか。


それを聞かれて、あたしは泣きながらにぃにのこと話したんだよね。


・・・その人が楓にぃにだったのにも、かかわらず。


「和泉先輩、ありがとう。」


駅のホームで手を離した。


あたしのお礼に対して、和泉先輩は少し微笑んだだけだった。


そして電車が来て、あたしが乗って。


和泉先輩の姿が見えなくなるまで、手を振り続けた。


あぁ。明日からどんな話をしようか。


会えなかった時間を埋めたい。二人の間にできてしまった溝を埋めたい。


また、二人で生きていきたい。


大好きな、大好きな楓にぃにと一緒に。


あたしは無意識のうちに笑ってた。


自然と笑顔になれた。


楓にぃにがいるから、だからあたしは笑える。


楓にぃにがいてくれるなら、他に何もいらない。


“・・・じゃあ、その恋は捨てられる?”


心の奥底から、もうひとりのあたしが問いかけた。


・・・うん。捨てられるよ。


楓にぃにとずっとそばにいれるなら、なにを失っても構わない。



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