花言葉を君に。
「・・・おい。和泉、なんで嘘なんてついたんだよ。」
紫苑の姿が完全に見えなくなったあと、切り出すユウキ。
「はい?何が?」
「だから、なんで紫苑ちゃんの兄貴だなんて嘘・・・」
「それは、キミが一番わかってるでしょ。“ユウキ先輩”?」
嫌味たらしく、満面の笑みで返す和泉。
それで頭にが昇ったのか、ユウキは衝動的に和泉を殴った。
「・・・ってぇな。いいのかよ、また大切な人傷つけても。」
「・・・うるさい。」
「俺だってもうごめんだよ。お前の罪かぶって生きたこの2年間、どんな思いだったのかわかるわけねぇだろ!?」
「それは」
「別に感謝しろって言ってるわけじゃねぇよ。俺が好きでお前をかばったんだから。でも!・・・でも遥さんは違う。ただ傷ついて、自分の夢捨てるしかなくて、殻に閉じこもるしかなかったんだ。そうだろ?」
和泉の目にはうっすらと光るものがあった。
「・・・和泉。お前まだ遥さんのこと」
「俺は誰も傷つけたくないんだよ。遥さんだって、本当は今も普通にココで先生しててほしかったんだ。あんなふうに母親になってほしくなかった。」
「和泉・・・」
「紫苑だってそうだよ。楓にぃに、楓にぃにって言うたび泣いて、偽りの笑顔でココまで生きて、なんで俺が幸せにしちゃいけねぇんだよ!」
和泉はユウキの胸ぐらをつかみ、泣き叫んだ。
「なあ答えろよ!なんで俺はいつもお前の身代わりなんだよ!・・・ただの友達だったはずなのに!」
ユウキは答えることができず、ただ立ち尽くすだけだった。