花言葉を君に。


3時間目が終わったとき、ユウキ先輩からメールが届いていた。


“ごめん。早退します。”


どうしたんだろう?朝は元気そうに見えたけど・・・


“了解です。大丈夫ですか?休んでください(^-^)”


返信してから気づく。


ユウキ先輩、授業中に送信してる。


さぼったのかな。珍しい。


・・・和泉先輩と何かあった、とか。


脳内を悪い予感がよぎって、不安になるけどすぐに追い払う。


そんなわけないよね。だってあの二人は友達だもん。


あたしが楓にぃにが和泉先輩だったこと、言ったから?


違うよね。


何となく胸に引っかかったまま、その日の授業を終えて花壇へ向かっている途中、ケータイが鳴った。


見ると、ユウキ先輩からのメール。


開くと、意味のわからない文章が並んでいた。


“和泉に怒られた。もう一度ちゃんと考えたいんだ。もう間に合わない?自分勝手でごめん。でも本当はまだ好きなんだ。この前のカフェで今日7時に待ってる。”


・・・あたしに向けての言葉じゃない。


すぐにわかったよ。間違いメールだって。


足が止まる。喧騒の中ですぅっと光り、落ちて消える涙。


「ユウキ先輩のバカっ・・・」


あたしの恋は叶わない。この恋は忘れなくちゃいけない。


だって宛先に書かれた名前は、“遥さん”だったから・・・。


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