花言葉を君に。


涙を堪えて、深呼吸をした。


秋の冷たい風が体中を駆け巡っていく。


ねぇ、ユウキ先輩。


もう少しだけ諦めないでいいですか?


まだユウキ先輩のことを好きでいていいですか?


と、そのときケータイが鳴った。


ユウキ先輩からの電話だった。


「ごめん!いやまさか紫苑ちゃんに送っちゃったとは思わなくて。」


「大丈夫ですよー!ちゃんと凛堂さんに送りました?」


「あ、うん。・・・なんかごめんね。」


「いえ。もうわかってましたから。うまくいくといいですね。」


自分に歯止めが利かない。何を伝えたいのかわからなくなってる。


「紫苑ちゃん、違うんだ。」


「誤魔化さなくても大丈夫ですよ。頑張ってください、応援してますから。」


あ、やばい。泣きそう。


心のこもってない言葉。だって、本当は思ってないもん。


うまくいかなくていい。頑張らないでほしい。応援なんてしてない。


でも、ユウキ先輩には・・・


「紫苑ちゃん・・・。」


「じゃあ。」


無理やり通話を終えて、涙が一粒頬を伝って、消えた。


・・・ユウキ先輩には、幸せになってほしいから。
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