花言葉を君に。


鼓動が早まっていく。


それでも凛堂さんは冷静に秘密を暴露し続ける。


「秘密その3。和泉くんは、何かを守ろうとすると嘘をつく。」


嘘・・・?


何かを守ろうとして、つく嘘は強い。


もし、もしもそれが本当なら。


「秘密その4。和泉くんは本当は」


「遥さんっ!」


秘密その4を遮ったのは、和泉先輩だった。


「和泉先輩・・・。」


「遥さん、もう帰ってください。お願いですから・・・!!」


和泉先輩の額には汗がにじんでいる。


「言わなくちゃいけないことは、ちゃんと言っておいたほうがいいわよ?」


去り際に凛堂さんが微笑んで放った言葉。


凛堂さんの姿が完全に見えなくなったとき、和泉先輩がはぁとため息をついた。


「あの人、なんか言ってた?」


「い、いえ特に。」


「あの人、ああ見えても先生だからさ。まぁ変な人じゃないから、許してやって?」


あたしの頭に置いた手が、優しかった。


やっぱり、信じたい。


和泉先輩があたしのお兄ちゃんだって。


信じたい。信じてる。でも・・・


心の片隅に引っかかった凛堂さんの言葉。


「何かを守ろうとすると嘘をつく」


それが本当なら、和泉先輩は嘘をついているような気がした。


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