花言葉を君に。
買い物して、ランチして、映画を観て。
普通の兄妹みたいな、カップルみたいに過ごす休日だった。
「あー楽しい♪」
「ホント、卒業とかも忘れられるな。」
「そっか、和泉先輩は卒業したら進学ですか?」
「いや・・・俺は働くよ。」
「そうですか。頑張ってくださいね!」
ユウキ先輩はどうなんだろう?
頭良さそうだし・・・あ、いや、和泉先輩がバカって言ってるわけじゃなくて!
頭の中でぐるぐると考えていると、ぶつかった。
「あ、ごめんなさい!」
見ると、足元に座り込む小さな小さな女の子。
クリクリの瞳は見開かれて、まっすぐあたしを見つめている。
その瞳からボロボロと涙がこぼれ落ちた。
「!?」
「ふぇっ・・・ひっく、ひっく・・・」
な、泣いちゃった!?
あたしがぶつかったからだよね!?
隣で和泉先輩が苦笑いした。
「ご、ごめんね?大丈夫?どっか痛い?」
あたしがその子を抱き上げて、頭を撫でた。
「うっ・・・まま・・・ないの・・・ひっく」
まま?ない?
おもむろに話しだした女の子を抱いたまま、あたしたちは母親探しをすることになった。