花言葉を君に。
「和泉くんと、紫苑ちゃん・・・?」
「こんにちは。」
和泉先輩が普通に挨拶した。
なんとなく険悪な空気が流れる。
って、え?
考えることいっぱいありすぎてわかんない。
なんでりったんのママが凛堂さんで、その凛堂さんとユウキ先輩が一緒にいるの?
和泉先輩もそれを知ってたような素振りだし?
「ままー!」
りったんが満面の笑みで凛堂さんに手を伸ばした。
凛堂さんも、安心した表情でりったんを抱いた。
「恵梨香・・・。恵梨香。」
何度も、何度も名前を呼んだ。
あぁ、いつか聞いた。
凛堂さんのお子さんの名前は、恵梨香ちゃん。
それで、りったんだったんだ。
「ありがとう、紫苑ちゃん。」
「いえ、あたしはりったんとぶつかっただけなんで。」
「もう、和泉くんも気づいてたんでしょ?連絡くれればいいのに。」
「すいません。」
「いう゛いー。」
「ほら、恵梨香だって名前呼んでるじゃない。」
「ごめんなー恵梨香。」
そっか。“いう゛いー”は“いずみ”って呼んでたんだ。
和泉先輩と凛堂さんの間で、何かあったんだ。
やっぱり、そういうことなんだ。
だからりったんの名前を知ってたんだ。