花言葉を君に。


いつまでも泣いた。


美智さんは学校に連絡したらしい。


「今日は一日休みなさい。今、紅茶淹れてくるわね。」


あぁもう頭痛い。


でも涙は止まらない。


泣き疲れて、ベッドに横になって少し眠ってしまった。


もう、夢は見なかった。


起きるとお昼を回っていた。


薄情な身体が空腹を示すように、ぐぅっとなる。


ふとケータイを見ると、一通の着信。


和泉先輩からだった。


“風邪か?しっかり休めよ!”


優しい言葉。無性に会いたくなった。


でも、あたしが求めてたのはユウキ先輩からのメールで・・・


と、思いが通じたかのように、メールが届いた。


“何かあった?相談でも愚痴でも何でも聞くからね。しっかり休んで。”


和泉先輩と同じような文面なのに、ほわっと心が温かくなった。


今すぐに全てを話してしまいたい。


凛堂さんから奪ってしまいたい。


でも、それはできない。しちゃいけないんだよね。


だから、この恋を心に秘めて、あたしは生きる。


和泉先輩に“大丈夫です!明日は登校します”と連絡して、最後の涙を拭いた。

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