花言葉を君に。
「和泉先輩っ!!」
「告白しないのか?」
唐突な質問に、声が枯れる。
「しませんよ。したってどうせ傷つくだけですから。」
「・・・しろよ。」
「え?」
「好きなんだろ。ユウキにそう言えよ。傷ついてもいいだろ!伝えたいなら伝えろよ!」
真剣な和泉先輩の瞳。真っ暗な世界で、月の光を反射して光る、漆黒の瞳。
好き。
大好き。
だけど言えない。好きだから言えない。
「傷つくのが怖いか?」
あたしは頷く。
「俺だって怖いよ。でも、伝えないと何も始まらない。フラれるとか、どうでもいいから、その大好きだ、って気持ち伝えたいと思わないか?」
伝えないと何も始まらない。
そうだけど、伝えたら笑えなくなるよ。
もう二度と今までの先輩後輩じゃいられなくなるよ。
「自分の気持ちに正直に生きないと、俺みたいになるぞ、紫苑。」
「でも!怖い・・・」
「・・・じゃあ、聞け。・・・紫苑、好きだ。」
また、何かの冗談だと、嘘だと思った。
けど、和泉先輩の瞳は真剣なまま、月の光を浴びていた。