花言葉を君に。
走って。走って。
花壇の前で止まる。そしてゆっくりと歩き出す。
ふと、あの日がフラッシュバックした。
ユウキ先輩と初めて会った日。
この角を曲がると、人影が見えて。
その人はこう言ったんだ。
「君がこの子たちを世話してるの?」
あたしがはい、って言ったら、その人は微笑んだんだ。
優しい、笑顔だった━━━━
「ユウキ先輩。」
「え?あれ、紫苑ちゃん?和泉が来るって言ってたんだけど・・・」
「あ、あの!あの・・・あたし・・・」
“頑張れ。”
和泉先輩が笑ってる。
あたし、頑張る。
今まで逃げてただけなんだ。好きだけど、好きだから傷つくのが怖くて、逃げてた。
自分からも、和泉先輩からも、ユウキ先輩からも。
でも、伝えたい。
ユウキ先輩のことが好きだから、大好きだから。
たとえ、フラれるってわかってても、それでもいい。
この気持ちを伝えたい。
それだけなんだ。
「ユウキ先輩。あたし・・・ずっと前からユウキ先輩のことが好きです。」