【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
「祐輝さん…俺、ずっと言ってないことがあるんです。晴香と離婚する直前に祐輝さん体調崩した時、瑞希さんが電話で、世利と祐輝さん、お互いが必要とした時に、会わせてあげてほしいってお願いされてたんです」


「瑞希がそんなことを…」


「だから、今日世利を連れてきました。世利が成長した分だけ、祐輝さんと瑞希さんも短かったけど、幸せだったんだと俺は思っています。15年て歳月は、世利を大人にした…世利を見て、瑞希さんとの重みを感じて下さい。きっと、瑞希さんが残していったメッセージだと俺は思っています」


祐輝は声を出して泣いていた。


膝の上に、両手を力一杯にぎり、肩を震わせて泣いていた。


憲吾もまた泣いていた…瑞希という女性が、純粋な気持ちで祐輝を愛し、愛されたまま亡くなって、もっと生きたかっただろう…そう思うと涙が止まらなかった。
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