【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
「お友達の奥さんとは、会ったことないの?」


「うん…」


「そうなんだ…」


世利は悲しむ母を見て、それ以上のことを聞くことができなかった。


香典を渡し、静かに会場内に入る…


世利の目にとまったのは、柴崎家の文字。


初めて出る通夜の会場は、なんともいえない悲しみに包まれていた。


祭壇には、母と同じくらいの女性の遺影…


親族の席なのだろうか…


小学生になる位の男の子と、父親らしき人に抱かれている、小さな女の子が一人…


父親らしき人物は、泣き顔で、周りを見る余裕すらない様子だった。


「ママのお友達って、子供を抱いている人?」


そう聞きながら、母を見た世利は、多分自分が言っている人物を見て、号泣している母の姿に驚かされていた。
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