【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
父も母も喜び、母親は、用事がなくても、瑞希の体調を気にして、たまに来てくれるようになっていた。

お腹が目立ち始めると、気にしていたムクミの症状が出始めていた。

処方された、漢方薬を飲みながら、何事もなく8ヶ月目に入っていた。

ただ、ムクミが強く、食事制限があるので、体重はそんなに増えていないが、指先で足を押すと、跡がついて戻らなくなるほどだった。

今日は検診の日。

エコーで赤ちゃんを見るのが、瑞希は楽しみだった。

祐輝は仕事を抜け出し、病院へ向かう。

検診の何日か前に、中舘医師から祐輝に電話があった。

産科の先生と相談して、瑞希の体の負担も考えると、少し早めに帝王切開で出産を考えたいという内容だった。

瑞希に話すと、嫌がるのは何となくわかっていた。

自然という言葉にこだわって、妊娠して母親になろうとしている。

きちんと、赤ちゃんが生まれる瞬間の痛みを乗り越えながら、母親になることを望むにちがいないと、祐輝は思っていた。

まして、少し早く生むことに抵抗を感じるような気がしていた。
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