【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
「柴崎さん~用意できましたよ~行きますか」

「頑張れよ…瑞希…」

「瑞希ちゃん、頑張ってね」

「はい…行ってきます」

瑞希が手術室に入って行くと、中舘医師が立ち会う準備をして、話をしに来た。

「柴崎さん、ご心配ならさらないで大丈夫と思いますよ。体調は今のところ、むくみ以外は、他の妊婦さんと変わりありませんからね~ちょっとお時間長くなりますが、私も立ち会うので、待っててくださいね」

はじめての緊張感だった。

前の妻、晴香の時には立ち会うことさえしなかったので、赤ちゃんの対面の時には、晴香も普通に笑っていた。

痛みに苦しむ妻を見たわけでもなく、ただ生まれてきた子供に感動し、生んでくれた感謝の気持ちを持っただけで、命がけで生んでくれる痛みを祐輝は今実感していた。

手術室の前で、何度廊下を行き来しただろう…

元気な産声を聞いたのは、瑞希が手術室に入ってから2時間ほどしてからだった。
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