【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
握りしめた手…可愛い足…小さな体で呼吸する姿を祐輝は見つめていた。

そして、幼い頃に別れた娘世利を思い出して、重ね合わせていたのも事実だった。

世利もこんなふうに生まれたんだな…

「祐輝、鼻の高い子だね~この子は可愛くなるよ~」

「母さん~さっそくバババカぶり発揮してるな~」

「柴崎さん、少しお話いいですか?」

「はい」

「赤ちゃんの体重は、2100gちょっと小さめですが、呼吸も心音もしっかりしていますので、まず問題はないでしょう。お母さんですが、とりあえずちょっと腎臓機能の低下が見られるので、今夜はこちらの部屋で様子を見て、明日回復していけば、病室に戻ります」

「瑞希に会えますか?」

「はい…いいですよ。眠ってるかな~」

瑞希は安心した顔で眠っていた。

祐輝が近づくと、目を少し開く。

「点滴が効いてるのでうとうとしてるんですよ。お声かけてあげて下さい」

祐輝は、瑞希の手を優しく握りしめ

「瑞希…ありがとう…れんをこの世に誕生させてくれてありがとう…」

そう声をかける。

瑞希は、にこっと笑ってうなづいた…

祐輝と瑞希は、命の誕生の感動に、幸せという希望の光を見ていた。

そして願っていた。
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