最後の恋―番外編―
番外編1
○季節を越えて。
早いもので、学と過ごす二度目の冬がやってきた。
でも、去年と違うのは私たちが恋人同士だということ。
隣に学がいないと切なくなるくらいに、私の中でとても大きくてかけがえのない存在に、学がなっていること。
「約束通り、誠人のとこに鍋食べに行こう」
相変わらず忙しい学との久しぶりのデートの途中、夕飯はどうしよう、なんて話になった時、学はそう言った。その言葉で、今までずっと気になっていたことを聞いてみることにした。
「宮田さんって、どんな仕事してるの?」
私の記憶が確かならば、彼は副業であの店を経営していて、夏と冬のわずかな期間しかお店を開けていないはずだ。
つまり、本業が休みの時にあの店を経営しているんだと思うけれど、夏休みと冬休みのある仕事なんていったい何だろう。
ずっと考えていたんだけれど、全然答えが出なかった。
お姉ちゃんに聞いてみても、「自分で考えてみなさい」なんて、微笑まれて終わるし。かといって、自分の考えだした職業はあんまりしっくりこない。
「あれ? 知らなかったっけ?」
「うん。知らないし、お姉ちゃんは教えてくれないし。考えてみても全然わからなくて、もうお手上げ状態」
両手を軽く上げて降参ポーズをする私に、学はクスクスと笑う。
でも笑っただけで、教えてくれる気配はない。