最後の恋―番外編―
「と、とりあえず、報告でした」
続く無言になえられなくて、そんな言葉でこの話題を締めくくった……んだけど。
『美月がお礼外の男を好きになるはずないって、分かってはいるけど。それでもやっぱり面白くなねぇな』
私が欲しいと……聞きたいと思っていた学の本音を、少しだけ言葉を乱しながらこうやってちゃんと伝えてくれる。
やっぱり額は“美月マスター”だ。
思わず聞けた学の素直な言葉に、ずきゅんとノックアウトされて、こっそり悶えてしまう。そんな私とは正反対に、三人はなぜかお腹を抱えて、必死に笑い声をこらえていた。
その堪えきれていない笑いが、学に聞こえないか心配で、私は会話を続ける。
「……面白くないの?」
『そりゃ面白くないだろう? 美月の魅力に今頃気づいて、よりを戻そうとするなんて。今更なんだよって直接言ってやりたいけど、まだ出張かかりそうなんだよなぁ』
「……うん。電話の学の声もいいけど、やっぱり直接会って、学の声早くいっぱい聞きたいなぁ」
三人がそばにいることも忘れて、私も本音を漏らしてしまう。
不思議なことに、学の本音はいつも私の本音をあっさりと引き出す。強がって、ずっと言いたくても我慢していた“早く会いたい”という私の本音を。