無気力女神と何様ヒーロー
 


こんなふうに、無関心に始まり、無気力に終わっていく。
前の年も、その前の年もそうだった。

3年生のときの運動会が一番楽しいし、一番思い出に残る。
そんなふうに先輩たちが言っているのを、何度も聞いたことがあるから。

だから、私もそうかなって。
そうだといいなって。


……思えたらよかったのに。




「俺、ブロック対抗出るよ」

体操服の袖に腕を通しながら、宙が立ち上がる。

「……へえ、何走?」
「アンカー。選考会で超頑張った」


各ブロックから選抜された俊足たちによる、運動会の花形・ブロック対抗リレー。
私にはまったくと言っていいほど縁のない種目だ。


 
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