愛と復讐
「そう」
教授の声でハッとする。
これ、向こうも私って気づいたんじゃ……
それは、まずい。
仮にも殺人鬼だ…私のことを口封じに殺すこともあるかもしれない。
昔なら、殺されたって良いと思えただろうけど
今は、千代に支えられたりして、生きることに執着してきた
「……あの、この事聞きに来たんです、ありがとうございました」
「いや………まぁこれも何かの縁だ」
縁、ね。
縁かもしれない
あなたが本当に殺人鬼なのか…確かめるための。
必ず
右肘のほくろを確認してみせる
「そうですね」
私も柔らかく微笑む
しかしその笑顔は一瞬で消えることとなる
「ってわけで、私の助手を頼めるかな?」
「え?」