愛と復讐
「つまり、彼がその犯人の特徴をかなり満たしてるってこと?」
「そう…」
私がうなずくと
千代はため息をついた
「…でもさ、それだけじゃ断定はできないでしょ?」
「……まあね」
「ねぇ、杏子………こんなこと聞くべきじゃないってわかってるんだけど」
「なに?」
私は首をかしげる
「……復讐って、絶対やらなきゃ、ダメなの?」
千代はうつむきながらそう言った
「………千代にはたくさん支えてもらってきて、すごく感謝してる。だけど、私は家族を殺した犯人を許すことはできない…」
「ごめんね………」
「謝らないで」
私は千代の頭を撫でる
「千代は、私に関わらない方がいいよ…いつか、私の黒い部分を見ることになる」
「杏子っ」
千代は私の顔を見つめる