愛と復讐
笑顔の裏側
「で、具体的に復讐ってなにするの?」
千代は学堂で声を潜めて私に言った。
「……まずは、右肘のほくろを確認しないと……もし、彼が本当に復讐の相手なら………彼に近づく。それで……彼の大事なものを奪う…」
そう。
彼の大事なものを必ず奪う。
一番、彼が苦しむ方法で……
「…………それが、人、でも?」
千代がゆっくりその言葉を吐き出す
「………そうね」
なるべく淡々とそう告げる。
たとえ人でも、私は奪うだろう……
罪をおかしたって
「だから千代。引き返すなら……」
「わたし、探偵の娘なのよ」
え?