愛と復讐
そんなの決まってる…
私の大切なものは…
「…私の、大切なものは……」
ゆっくり口を開く
教授は少し前で私を振り返って見てる
「………このピアスです!」
私は笑いながらピアスに触れる
確かに大切もの。
間違ってない
教授は優しく微笑んだ
「どうして?」
「……独りで苦しかったとき、私の元に届いたんです。顔も知らないし誰かもわからないけど…確かに救われたんです」
そう、このブルーのピアスがあったから私は立っていられる。
1人じゃないって思えたから
「……じゃあ、なくすんじゃないぞ」
「はい」
教授はまた微笑むとゆっくり前を向いた
私は少しずつ離れていく教授の背中を見つめる
そして
「……私の、本当の大切なものは……」