愛と復讐


「………なん、なの…」

私はその場に座り込む


彼は何故、たまに泣き出しそうな迷子の子供のような顔をするんだろう

そして
心配しようとしても彼は離れていく

抱き締められた腕の温もりが残る

私は自分の腕を少し力をいれて握る

「………どうしよう……」


彼は…

私が何度も何度も
殺したいと、彼を絶望におとしいれたいと
願ってた人なのに。


なのに


なんで、こんな彼を気にしてしまうの?
悲しみにくれているなら
私にとったら好都合じゃない。

なのに

家族を殺したやつなのに
なんで、こんな胸が騒ぐかずっと分からなかった

ううん。

知らないふりをしていた。

だって、そんなの


許されない


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